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各委員会活動

会員増強・戦略・広報委員会

委員長 石本 隆太郎(新潟RC)

石本 隆太郎(新潟RC)

「栄枯盛衰は世の習い!」と言われますが、1905年にポール・ハリスと友人3人でスタートしたロータリークラブは、その後、世界各地に広がり、会員数120万人を超えるまでに発展しました。

我国においても、1920年(大正9年)に東京ロータリークラブが創立。第二次世界大戦による中断を経て、1949年(昭和24年)に国際ロータリーに復帰。その後、目覚ましい発展を遂げています。

しかし、会員数の推移を見た場合、アメリカでは1994年の421,823人をピークに、30%以上も会員を減らしています。日本でも1997年の131,731人をピークに、2022年には82,574人と37%以上会員が減少し、この傾向は人口動態からも、2050年以降、より顕著になると予想されています。

資料・1 ロータリー会員数上位国の国別会員数推移表

私は、1982年に新潟ロータリークラブに入会して以来40年になりますが、会員増強と深く関わるようになったのは、1992年の栗山ガバナー年度に、地区拡大委員長を拝命してからであります。

当時の2560地区は新潟県と群馬県が一緒になっており、ガバナーは新潟県と群馬県から一年交代で選出され、新潟県内クラブ46クラブの会員数2,669人。群馬県内クラブ36クラブの会員数2,550人。

両県併せて82クラブ、会員数5,219人という大きな地区でした。

1992年を起点として、「2560地区における会員増強30年間の歴史」を、3月11日のPETSの際に配布した参考資料『会員増強・クラブ別健康診断書』をもとに振り返ってみたいと思います。

資料・2 RI第2560地区・1992~93年(栗山G年度)―2022~23年(髙橋G年度)会員数推移表

資料・1によれば、我国の2022年の会員数は、2006年の会員数に比べて81.5%と2割近く減っているが、資料・2によれば、2560地区の2022年の会員数は2006年の会員数に比べて4%減で、比較的善戦している。
さらに又、女性会員も順調に増えているが、2016~17年の田中G年度以降、停滞気味である。

1992~93年(栗山ガバナー)から2003~04年(原ガバナー):バブル経済の崩壊

資料・3 RI2560地区における新クラブ拡大の推移(創立年月日順)

栗山ガバナーは、“ロータリーの更なる発展のためには、地区分割が必要!”との強い信念を持っておられました。地区分割には「1地区50クラブ以上」というRIの基準がありましたので、私に対して、「年度内に、新しいクラブを3クラブ作れ。」と厳命されたのであります。そこで、当時の新潟市内5クラブから拡大委員を選出していただき、市内全域をテリトリーとする新潟中央クラブと、新潟県内初の夜例会クラブで、女性会員多数を擁する新潟万代クラブの創立に成功。

又、栗山ガバナーの肝いりで、新発田中央クラブの創立にもこぎつけ、所期の目標を達成できました。

その後も後任の拡大委員長のご努力もあり、新潟県側だけで10クラブの新設に成功するとともに、群馬県側のクラブ新設も順調に進み、2000年~01年のミレニアム年度に、念願の地区分割が実現し、第2560地区は、晴れて新潟県単独の地区として、新たなるスタートを切りました。

一方、この時期は我国におけるバブル経済崩壊時期と重なったため、栗山ガバナー年度の新潟県側クラブ数46クラブ(会員2,669人)と、原ガバナー年度のクラブ数56クラブ(会員2,215人)を比較すると、クラブ数は10クラブ増えたものの会員数は454人も減少。新設10クラブの会員増強344人が無かったならば、2,000人の大台を割り込んでいたと推定できます。
この時期は全国的に会員数が減少し、当地区でもこの10年間で会員数10%以上増えたクラブは僅かに6クラブだけで、ほぼ横ばいのクラブが14クラブ。20%以上も会員が減少したクラブは35クラブとなり、特に40%以上会員を減らしたクラブが、規模の小さいクラブに集中しました。

2003~04年(原ガバナー)~2012~13年(鈴木ガバナー):自然災害・大地震との戦い

資料・4 RI第2560地区・2003~04年(原G年度)―2012~13年(鈴木G年度)会員数推移表

この10年間は、まさに自然災害・大地震との戦いの10年間で、2004年10月の中越大地震に始まり、2007年7月の中越沖地震、2011年3月の東日本大震災と続き、さらに新潟県内でも多くの風水害が発生。2008年9月のリーマンショックも重なって、バブル経済崩壊後の影響が残っていた県経済に多大なる影響を与え、とりわけ、地方のロータリークラブに大きく影響が出ました。

こうした中で、2006~07年の中條ガバナー年度に地区会員増強委員長を拝命し、再び会員増強と深い関係を持つようになりました。この年のPETSの際に考案したのが、クラブ会長と会員増強委員長用の参考資料『2560地区・会員増強クラブ別健康診断書』であります。

● 参考資料『2560地区・会員増強クラブ別健康診断書』

このカラー刷り一覧表は、地区内57クラブ(当時)の年度初めの7月1日現在の会員数を表示したもので、毎年、会員数の多い順に並べ替えております。さらに、各クラブ毎の前年との増減率を110%以上は濃い青、105%~110%は薄い青、95%~105%は白、85%~95%はピンク、85%未満は赤地で埋めてありますので、各クラブの会員増減状態=健康状態が一目瞭然に分かります。

中條ガバナー年度にこの表を考案・作成し、3ヵ月毎の会員数を「ガバナー月信」に掲載した結果、その反響は大きくて、地区内クラブの多くが「会員増強」を意識するようになりました。こうして、中條年度終了時には、全国34地区のほとんどが会員数マイナスとなる中で、当地区は121名の会員純増(三条東クラブ新設による39名を含む)となり、ダントツで全国第1位となりました。

しかし、2008~09年の馬塲ガバナー年度から2012~13年の鈴木ガバナー年度にかけての5年間、2008年9月のリーマンショックや、2011年3月11日の東日本大震災の影響もあり、クラブ規模の大小を問わず会員増強は低迷。地区会員数2,000名前後を維持するのが精一杯の状況が続きました。

この間、新クラブ設立要件の会員20名未満のクラブは、原ガバナー年度は3クラブのみでしたが、鈴木ガバナー年度には10クラブに激増し、“会員減少は規模の小さいクラブほど顕著に表れる”ことが、改めて実証されました。

2013~14年(山崎ガバナー)~2021~22年(高尾ガバナー):新型コロナウイルス感染症

資料・5 RI第2560地区・2013~14年(山崎G年度)―2022~23年(髙橋G年度)会員数推移表

山崎ガバナー年度から大谷ガバナー年度の前半まで、比較的、経済情勢も落ち着きを見せましたし、自然災害等も少なかったため、青地や白地のクラブが増えて、赤地やピンク地のクラブが減りました。

地区内各クラブの会員増強は比較的順調で、2014~15年の佐々木ガバナー年度から、2016~17年の田中ガバナー年度にかけての3年間は会員純増クラブが増え、地区も会員純増を達成しました。

しかし、2019~20年の大谷ガバナー年度の後半に入って間も無く、中国発の新型コロナウイルスによる感染症が世界中に蔓延。このパンデミックにより、世界中のロータリー活動が多大なる影響を受け、当地区も三大事業であるPETS、地区研修協議会、地区大会はじめ各委員会のセミナー等が中止や延期・縮小に追い込まれました。

新クラブ設立要件の会員数20名は、健全なクラブ組織編成と、ロータリーの5大奉仕事業を実行するための最低条件で、20名を下回るとクラブの活性化にブレーキが掛かり始めます。

2013~14年の山崎ガバナー年度に入って、冬季観光の不振等で会員数20名を割り込んでいた妙高高原クラブが、最終会員4名となり、遂に支えきれず、クラブ解散に追い込まれました。

さらに、2021~22年の高尾ガバナー年度に入り、会員11名の頸北クラブが解散決議したとの報告があり、そのショックが覚めやらぬ所へ、“五泉クラブ解散?”との情報が入り、高尾ガバナー以下、地区役員はその対応に追われましたが、年度末に至って、五泉クラブの解散承認という残念な結果になりました。今後も、少人数クラブの活性化が、当地区にとっても最大課題の一つです。

2022~23年(髙橋ガバナー)~:新型ウイルス感染症とロシアのウクライナ侵攻

地区会員増強委員会は3年前の大谷年度から、ロータリー活動を継続発展させていく上において、会員の維持増強は不可欠であり、会員増強を効果的に行うためには長期戦略に基いた計画とともに、ロータリーの広報公共イメージ向上が欠かせないという考えから、会員増強、戦略計画、広報公共イメージ向上は密接不可分のものとして、3年委員会として1本化されました。

2022~23年の髙橋ガバナー年度より委員長を拝命し、2023~24年の米山ガバナー年度で2年目を迎えます。一方、各クラブ会長始め会員増強委員長は毎年交代される方が多いと思われますので、米山年度も『地区内クラブ別会員増強健康診断書』を参考資料に、5月の地区研修協議会や7月の会員増強セミナーを通じて各クラブの現状分析を行い、「会員増強の効果的手法」を探ると共に、戦略計画への取り組みクラブや、SNS活用クラブの拡大に努めてまいりたいと念願しております。

『地区内クラブ別会員増強健康診断書』によれば、直近3年間における第2560地区全体の会員数は、佐藤年度から高尾年度にかけて74名減。高尾年度から髙橋年度にかけて41名減となっており、コロナ禍の影響は否定出来ません。又、会員純増クラブ18に対して会員減少クラブは31も有り、今後もコロナの終息状況と共に、ロシアのウクライナ侵攻による影響も注視していく必要があります。

最後になりますが、『地区内クラブ別会員増強健康診断書』を基にして、直近10年間における25%以上会員純増クラブと、25%以上会員減少クラブの対比表を作成してみました。

資料・6 2022~23年髙橋G年度-2011~12年石本G年度=直近10年間の会員数増減表

『2560地区・クラブ別会員増強健康診断書』のコメントでも述べていますが、30年間にわたり当地区の会員増強の推移を見つめてきた小生の感想は、「クラブの歴史や会員規模は様々であるから、全てのクラブの会員増強がうまくいくという“特効薬”のようなものは無い。」ということです。

一方、バブル経済の崩壊や、大地震等の自然災害、さらには今回のパンデミックや人口減少問題等々、会員増強の阻害要件が次々発生する中で、資料・6のような会員増強にクラブ間格差が生じる理由は何なのか。それは、クラブ会長をはじめ会員の一人一人が、“真に自分のクラブをよくしたい!”という気持ちの有無ではないかと思っております。

例会や委員会、同好会等の活動が楽しくて、自分や地域社会にとり役に立つという認識があれば、知人・友人にロータリーへの入会を勧めることは、さほど難しいことではないと思います。

7月29日開催予定の「地区会員増強セミナー」は、全クラブ会員増強委員長の参加を期待しておりますが、会員数が少なくて委員長不在のクラブは、PETSで配布した資料や、本日のビデオ配信資料(地区研修協議会プログラムに全文記載する予定)を活用して、例会や委員会において、会員全員で会員増強について討議する場を設けていただきたいと念願いたします。

【各種資料】

ロータリーへようこそ(動画)
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会員増強ガイド、地域に合った計画を立てよう(PDF)
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会員増強とマーケティングのガイド(PDF)
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会員増強のための評価ツール(PDF)
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最も大切なのは「クラブでの体験」(PDF)
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