RI会長メッセージ

奉仕しよう みんなの人生を豊かにするために

2021-2022年度 国際ロータリー
会長 シェカール・メータ

シェカール・メータ

私は常に、「超我の奉仕」というロータリーの標語に大きな感銘を受けてきました。この言葉は、人びとを思いやり、分かち合うことの大切さを教えてくれました。私にとって奉仕とは、自分よりもほかの人のことを先に考えることです。これについて、ロータリーでの私自身の体験をご紹介したいと思います。

ロータリークラブに入会したばかりの頃、手足が不自由な人のためのキャンプをクラブが実施しました。全会員が役割を分担し、私の担当は、ハンドサイクルを受け取る人が、手で車輪をこぐ力があるかどうかを確認することでした。すると、ある人が地を這って私に近づいてきました。その人は足がなく、這うことしかできなかったのです。私は彼に向かって手を差し出しましたが、その瞬間、正直なところ、私の頭にあったのはその人のことではなく、自分のことでした。自分の清潔さや健康について考えたのです。彼の手を握りたくありませんでした。しかし、6、7人目の後に突然、この人たちが抱える苦境に共感し、彼らの痛みと困難を感じ、自分よりも彼らのことを考えるようになったのです。その瞬間、私は、単なるロータリークラブ会員から、ロータリアンになったのです。

その後間もなく、もっと多くのプロジェクトに参加するようになりました。35年前、ロータリアンとして初めてインドの僻村に足を運んだとき、同胞たちが抱える苦境を真に理解しました。私たちは、ロータリークラブを通じて、トイレを設置し、安全な飲み水を提供し、教育システムを改善し、世界級の医療設備を整えました。ロータリーが私の心に火をつけました。自分の身の回りを超えたところに目を向け、人類全体を考えるようになりました。奉仕が私の生き方となったのです。多くの方々と同じように、‟奉仕とは、自分がこの地上に占める空間に対して支払う家賃である“という信条を持つようになりました。模範的な賃借人でありたいと思っています。

皆さんの多くが、このような奉仕プロジェクトで人びとの人生をより豊かにしてきたでしょう。今日、奉仕のニーズはさらに高まり、明白になっています。この理由から、2021-22年度の私たちのテーマは、「奉仕しよう みんなの人生を豊かにするために」(Serve to Change Lives)といたします。

奉仕するとき、誰かの人生だけでなく、自分の人生も豊かになります。インドの偉大な思想家の一人であるヴィヴェーカーナンダは、こう言いました。「誰かを助けるとき、その人に恩を施していると考えないでください。実際には、その人たちがあなたに恩を施しているのです。私たちが世界から授かった恩恵への恩返しをする機会を与えてくれているのです」。ヴィヴェーカーナンダはさらに、次のような見事な言葉を加えました。「人生では、与える者、奉仕する者になりなさい。ただし、与えるときも奉仕するときも謙虚になり、ひざまずいて『与えさせていただけますか』『奉仕させていただけますか』とお願いする気持ちになりなさい」
ほかの人のために生き、世話をし、奉仕することで誰かの人生を豊かにすることは、自分の人生の最高の生き方です。アルバート・アインシュタインが言ったように、「誰かのために生きてこそ、人生には価値がある」のです。

また、奉仕イニシアチブに取りかかるにあたり、次年度の焦点は「女子のエンパワメント[ 人間は、そもそも、一人ひとりが素晴らしい潜在能力を有しているという考えのもと、その人が本来持っている能力を引き出し、発揮させる(湧き出させる)こと を意味する。]」となります。ロータリーの中核的価値観の一つは「多様性」です。ロータリーのDEI(多様性、公平さ、開放性)に対する信念を表した公式声明もあります。多くの場合、女子は不利な立場に置かれることが多く、私たちが女子のエンパワメントに取り組むことが重要です。ロータリーはすべての子どもに奉仕しますが、特に「女子」に焦点を当てます。

「私たちには、奉仕し、みんなの人生を豊かにする力と魔法があります」

皆さん、準備は整っていますか?大きなチャレンジに立ち向かう準備ができていますか?奉仕する準備ができていますか?みんなの人生を豊かにする準備ができていますか? 私は準備ができています。皆さんも同じでしょう。ともに奉仕し、みんなの人生を豊かにしていこうではありませんか。

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